第2日目 Sphinxでドキュメント作成を開始する
2日目はドキュメント作成用のひな形となる プロジェクト を作成しhtmlを生成します。
プロジェクト編集の基本的な流れ
- 下記の流れでドキュメント作成を進めます。
- Sphinxのプロジェクトを作成
- テキストエディタでreSTファイル(拡張子 .rst)の作成、編集
- make html コマンドを打って、htmlファイルの生成
Sphinxのプロジェクトを作成する
- Sphinxでドキュメント作成を始める際は、作りたいドキュメント毎に プロジェクト を作成します。
コマンドプロンプトを起動し、下記のような作業ディレクトリを作成します。
例 作業フォルダを C:\work\sphinx\testproject に作成する場合
> mkdir C:\work\sphinx\testproject\ ※エクスプローラから作っても構いません。
カレントを作成したディレクトリにします。
例 C:\work\sphinx\testproject の場合
> cd \work\sphinx\testproject\
プロジェクトを作成するコマンドを打ち込みます。
> sphinx-quickstart
対話形式で進むので必要に応じて入力をします。必須なのは 4項目 だけですので、あとはEnterキーを押すだけです。
C:\work\sphinx\testdir>sphinx-quickstart Welcome to the Sphinx 1.1.3 quickstart utility. Please enter values for the following settings (just press Enter to accept a default value, if one is given in brackets). Enter the root path for documentation. > Root path for the documentation [.]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
You have two options for placing the build directory for Sphinx output. Either, you use a directory "_build" within the root path, or you separate "source" and "build" directories within the root path. > Separate source and build directories (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
Inside the root directory, two more directories will be created; "_templates" for custom HTML templates and "_static" for custom stylesheets and other static files. You can enter another prefix (such as ".") to replace the underscore. > Name prefix for templates and static dir [_]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
The project name will occur in several places in the built documentation. > Project name: learning
プロジェクト名を指定しEnterキーを押します。※例は learning という名前を指定
> Author name(s): hoge
作成者の名前を指定しEnterキーを押します。※例は hoge という名前を指定
Sphinx has the notion of a "version" and a "release" for the software. Each version can have multiple releases. For example, for Python the version is something like 2.5 or 3.0, while the release is something like 2.5.1 or 3.0a1. If you don't need this dual structure, just set both to the same value. > Project version: 0.1
プロジェクトのバージョン番号を指定しEnterキーを押します。※例は 0.1 を指定しています。
> Project release [0.1]:
次にリリース番号を聞かれますので拘りがなければ、そのままEnterキーを押して同じ番号にして下さい。
この後は対話形式が終わるまでEnterキー連打で構いません。
The file name suffix for source files. Commonly, this is either ".txt" or ".rst". Only files with this suffix are considered documents. > Source file suffix [.rst]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
One document is special in that it is considered the top node of the "contents tree", that is, it is the root of the hierarchical structure of the documents. Normally, this is "index", but if your "index" document is a custom template, you can also set this to another filename. > Name of your master document (without suffix) [index]: Sphinx can also add configuration for epub output: > Do you want to use the epub builder (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
Please indicate if you want to use one of the following Sphinx extensions: > autodoc: automatically insert docstrings from modules (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> doctest: automatically test code snippets in doctest blocks (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> intersphinx: link between Sphinx documentation of different projects (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> todo: write "todo" entries that can be shown or hidden on build (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> coverage: checks for documentation coverage (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> pngmath: include math, rendered as PNG images (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> mathjax: include math, rendered in the browser by MathJax (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> ifconfig: conditional inclusion of content based on config values (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> viewcode: include links to the source code of documented Python objects (y/N) [n]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
A Makefile and a Windows command file can be generated for you so that you only have to run e.g. `make html' instead of invoking sphinx-build directly. > Create Makefile? (Y/n) [y]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
> Create Windows command file? (Y/n) [y]:
何も指定せずにEnterキーを押します。
Creating file .\source\conf.py. Creating file .\source\index.rst. Creating file .\Makefile. Creating file .\make.bat. Finished: An initial directory structure has been created. You should now populate your master file .\source\index.rst and create other documentation source files. Use the Makefile to build the docs, like so: make builder where "builder" is one of the supported builders, e.g. html, latex or linkcheck.
これでプロジェクトの作成は終了です。いくつかのディレクトリとファイルが生成されているので確認してください。コマンドプロンプトでdirコマンドを打ちましょう。 ※もちろんエクスプローラで確認しても構いません。
C:\work\sphinx\testdir>dir /b conf.py index.rst make.bat Makefile _build _static _templates
HTMLを生成する
最後にHTMLを生成してみましょう。コマンドプロンプトで make html コマンドを打ちます。
C:\work\sphinx\testdir>make html Making output directory... Running Sphinx v1.1.3 loading pickled environment... not yet created building [html]: targets for 1 source files that are out of date updating environment: 1 added, 0 changed, 0 removed reading sources... [100%] index looking for now-outdated files... none found pickling environment... done checking consistency... done preparing documents... done writing output... [100%] index writing additional files... genindex search copying static files... done dumping search index... done dumping object inventory... done build succeeded. Build finished. The HTML pages are in _build/html.
正常に終了していれば \_build\html 配下にhtmlが生成されているはずです。
C:\work\sphinx\testdir>dir /b _build\html .buildinfo genindex.html index.html objects.inv search.html searchindex.js _sources _static
続けて index.html をWebブラウザで開いてみましょう。コマンドプロンプトから _build\html\index.html と打てばWebブラウザでindex.htmlが開きます。
C:\work\sphinx\testdir>_build\html\index.html
以上でプロジェクトの作成からhtmlの生成まで一通り流しました。明日からはいよいよドキュメントの編集に入ります。
※ このアドベントカレンダーについては このアドベントカレンダーについて を参照して下さい。
第1日目 Sphinx環境を構築しよう!
初日は私が普段Windows上でどのようにSphinx環境を構築しているかをご紹介します。
Pythonのインストール
SphinxはPythonの拡張モジュールなので、まずPythonのインストールが必要です。 下記ページよりインストーラーをダウンロードします。
- Windows用インストーラ python-2.7.3.msi
ノート
Windowsの64bit(x64)版の場合も、上記のバージョンをダウンロードして下さい。
パッケージ管理ツール easy_install のインストール
Pythonの拡張モジュール easy_installコマンド をインストールします。
- 下記をダウンロードします。
distribute_setup.py をPythonをインストールしたディレクトリに配置します。
標準では下記ディレクトリに配置して下さい。
C:\Python27\
コマンドプロンプトを起動し、 distribute_setup.py を配置したディレクトリへ移動します。
> cd \Python27
Pythonで distribute_setup.py を実行します。
> python.exe distribute_setup.py
大量のメッセージが流れるが、最後に下記のようなメッセージが出ていれば成功。
Creating C:\Python27\Lib\site-packages\setuptools-0.6c11-py2.7.egg-info Creating C:\Python27\Lib\site-packages\setuptools.pth
環境変数PATHの設定
コントロールパネルより システムとセキュリティ を選択します。
システム を選択します。
システムの詳細設定 を選択します。
システムのプロパティが開くので、 詳細設定 タブを選択します。
右下の 環境変数 を選択します。
環境変数PATHにディレクトリを追加します。
今Windowsにログインしているアカウントに Admin権限が有る 場合
ユーザー環境変数(上側)の 新規 を選択します。
新しいユーザー変数 に下記のように入力します。
変数名: Path 変数値: C:\Python27;C:\Python27\Scripts
今Windowsにログインしているアカウントに Admin権限が無い 場合
システム環境変数(下側)の変数 Path を選択します。
編集 を選択し下記のようにディレクトリ名を追加します。
変数値: C:\Python27;C:\Python27\Scripts
入力し終わったら全てのウィンドウを OK を押下して閉じて下さい。
Windowsをリブートします。
コマンドプロンプトよりバージョンを確認します。
> python -V Python 2.7.3 ※このように出力されればOK
ノート
バージョン確認に失敗した場合は、コマンドプロンプトに path と打ち込みPython27のパスが入っているか確認して下さい。
パッケージ管理ツール pip のインストール
Pythonの拡張モジュール pip をインストールします。
コマンドプロンプトを開き下記コマンドを実行します
easy_install -U pip
Sphinxのインストール
コマンドプロンプトを起動しインストールコマンドを実行します。
pip install sphinxjp.themes.bizstyle -U
大量のメッセージが出力されるが下記メッセージが最後にでれば問題ありません。
Finished processing dependencies for sphinx
この手順では私がよく利用させて頂いている @shkumagaiさん作 の sphinxjp.themes.bizstyle をSphinxとその関連パッケージを同時に入れています。
さあ、これでSphinx環境が出来上がりました。明日はSphinxでドキュメントの作成を開始しましょう。
ノート
手軽にSphinxを始めたい場合は @shimizukawaさん が作成された Windowsへのインストール(スタンドアロンインストール) が良いかもしれません。
ノート
他に、 @GoingMyWayNetさん の書かれた Sphinx on windows (Admin権限なし版) も非常に参考になります。
※ このアドベントカレンダーについては このアドベントカレンダーについて を参照して下さい。